『アドテクノロジーの教科書 デジタルマーケティング実践指南』を読みました
今回は『アドテクノロジーの教科書 デジタルマーケティング実践指南』を読んで勉強になった点、覚えたい用語をかいつまんでまとめていきたいと思います。
本書はアドテク業界を「歴史・技術」「クリエイティブ」「効果測定」「プレーヤー」「市場」5つの軸で説明しています。一見難しそうなテーマですが、知識のない人も読み進められるように噛み砕いた説明が多く、広告側・メディア側どちらの人間も知っておいた方が良い内容が満載です。
そもそもアドテクノロジーとは
アドテクノロジー(以下アドテク)とは「アドネットワーク」「RTB」「ディスプレイ広告」などインターネット広告に関連するシステムのこと全般を指します。
アドネットワークとは
アドネットワークとは「広告配信ネットワーク」に入稿することで広告主が多数のWebサイトに一括で広告を配信することができるシステムです。
アドネットワークの登場以前のネット広告は個別媒体への純広告が主流でしたが、アドネットワークの登場により圧倒的に低いコストでの複数出稿や一律の効果測定が可能になりました。
BATとは
広告効果を高めるためにCookieを使用しユーザー行動を分析して配信を行う「行動ターゲティング広告」をBAT(Behavaiorl Targeting Advertising)と呼びます。リターゲティング広告もこのひとつです。
アドエクスチェンジとは
アドエクスチェンジとは簡単に言うとアドネットワークを管理する仕組みのことです。
アドネットワークの数が増えてきて、それぞれに取り扱っているメディアも違い管理が大変になったところ、アドエクスチェンジが登場しました。
アドエクスチェンジは広告枠をインプレッションベースで取引する市場であり、広告主側とメディア側のバランスから広告枠の価値を評価して価格を決定します。これにより広告枠単位で価格が決まるようになり、アドネットワークも横断的に一元管理できるようになりました。
RTBとは
「RTB(Real-Time Bidding)」とは、アドエクスチェンジにおけるリアルタイム入札のことを指し、広告枠のインプレッションが発生するたびに競争入札が開始され、もっとも高い金額をつけた購入者の広告を表示する方法のことです。
広告インベントリ(広告在庫)とは
広告のインプレッションのことです。メディアにとって広告のインプレッションは収益に影響することから、インプレッションのことを「広告インベントリ(広告在庫)」と呼ぶそうです。
DSPとは
「DSP(Demand-Side Platform)」とは複数のアドエクスチェンジやネットワークを一元管理する広告配信プラットフォームです。広告主のためのプラットフォームと覚えておくと良いと思います。
SSPとは
「SSP(Supply-Side Platform)」は広告収益の最大化を目的としたメディア側のプラットフォームです。DSPと対になる存在ですね。
DSP/SSPでの広告取引の流れ
ユーザーが広告枠のあるWebサイトを訪れたら、まずSSPが広告リクエストを受けて各DSPにオークションをリクエストします。各DSPはそのDSP内でオークションを行い、そこで勝利したクリエイティブらが最終的にSSP内でオークションにかけられ、その勝者が広告として表示される仕組みです。
プレイヤーの多さならではというか、ここまで複雑だったんですね。
3PAS(第三者配信アドサーバー)とは
広告主はDSPなどのプログラマティックな広告以外にも、リスティング広告、純広告、アフィリエイト広告など多くのWeb広告を出稿しますよね。それらを横断して管理・効果測定したいというニーズを持っていました。これに応えることができるのが3PASです。
DSPやアドエクスチェンジと違って、3PASには広告枠の買い付けや配信のオプティマイズ機能などはありません。
まとめると、メディアを横断して広告全体の効果測定・管理を行うサーバーが3PASということです。
展開している事業者として日本で有名なのは下記。
・Sizmec社 (旧Media Mind) ⇒ Sizmec
・Fringe81社⇒Digitalice
・Google社 ⇒ Double Click for Advertiser
DMP(データマネジメントプラットフォーム)
自社サイトに訪れた顧客の行動や属性情報など、別々で管理されているデータをまとめ、分析し、顧客とのコミュニケーションを最適化するためのプラットフォームを指します。
例えば、DMPを活用すると、Webサイトで3か月前に商品を購入し、それ以降サイトに訪問していない顧客に対してネット広告やメルマガの配信ができます。
フリークエンシーとは
ユーザーが広告に接触した回数のこと。
アトリビューション分析とは
アトリビューション分析とは、CVに関与したメディアの貢献度をスコアリングする分析のこと。分析結果を元にリアロケーション(再分配)を行い広告効果を最大化させることが目的です。
GDN
Googleディスプレイネットワークのこと。(こんな略し方だったんですね)
インストリーム広告
Youtubeなどの動画サイトで配信される従来のバナー広告よりも大画面で表示できるタイプの広告。Youtubeでよくある、動画再生前に表示される広告のことですね!5秒以上待つとスキップできるものがほとんどです。
CPV課金(広告視聴単価課金)方式が取られる場合が多く、たとえばYoutubeでは広告が最後まで再生された場合のみ課金されます。
インバナー(インディスプレイ)広告
従来のバナー枠に配信されるタイプの動画広告。インディスプレイ広告とも呼びます。
インリード広告
Webページをスクロールし、広告枠が画面に表示されたタイミングで動画が再生される仕様の広告。広告枠がコンテンツ内にあることが前提です。スマホ向けプロモーション向き。
以上は第3章までの内容がメインです。
本書では他にも第4章で各領域のプレイヤー紹介があり、海外プレーヤーから国内プレーヤーまで概要とソリューションが解説されています(フリークアウトやサイバーエージェントなど)。
第5章ではインターネット広告や運用型広告(純広告など除くアドテク広告のことですね)、動画広告の市場規模も(2014年時点なので古いですが)。